juju – 奇跡を望むなら
かなり周回遅れになっていて、投稿の日付は8月29日ですが、実際は、9月15日の早朝に記事を書いています。
この音楽動画に出演している、芦名星さんが、2020年9月14日、自らいのちを断ってしまいました。
この動画は2006年の秋、芦名さんが23歳の頃の作品です。
jujuの「奇跡を望むなら」は私の身の回りの人々の生き死にを色々と思い起させる曲です。
私の家族のこと、
そして…
今日、9月15日で、ちょうど11年になりますが…
私が店長を務めていたお店のキャストが自殺しました。
私が店舗管理者を務めている店舗、事業所において、従業員が自殺、というのは後にも先にもありませんが、記憶に鮮明に残っています。
2009年9月15日、私は仕事が休みでした。
伊勢佐木町の不二家の、当時は存在したケーキバイキングに挑戦して、ケーキの食べ過ぎで具合が悪くなってしまったのですが、これは食後の運動をした方がいいと思って、関内に最も近い伊勢佐木町から、伊勢佐木町を超えてずっと真っすぐ進むと行き当たる南太田も富士スーパーまで、行ったり来たりしていました。
運動をした方がいいというよりは動いていないと嘔吐してしまう恐れが大だったからというのもあります。
夕方の6時…
これは今でもみるきぃらんどにおいても決まりになっていますが、
みるきぃらんどを開業する前に店長を務めていた店においても、前日確認は夕方の6時でした。
ちょうど日枝神社の前を歩いているときに、前日確認のメールを受け取りました。
割と時間通りに前日確認をくれない方で、私の方から確認のメールをすることが多い人だったのですが、2009年9月15日は珍しく私が督促のメールを出すことなく、時間通りに前日確認のメールが届きました。
妙な胸騒ぎがする、ということはありませんでしたが、何か不思議な気分になったことは憶えています。
この人は出勤してこないような気がする。
…という思いが、漠然と浮かび上がってきました。
明けて16日は、普段は遅番の私でしたが、16日は通し勤務で朝からお店にいましたが、やはり、というでしょうか、出勤予定の11時になっても現れませんでした。
当人は2009年9月16日の午前11時から出勤するつもりだったのでしょうが、前日の15日、私とメールをやり取りした数時間後にマンションから飛び降りてしまったので、16日にはこの世にはなく、出勤しようがありませんでした。
9月15日に自殺したことを知ったのは、翌10月の5日で、最も仲が良かったキャストにご主人から「9月15日に亡くなったこと、線香でもあげにお越しください」という連絡があったからです。
そのキャストが線香をあげにお宅を訪問して、自殺した理由などもろもろの話を聞いてきて、その話をお店でみんなに話したのですが…
衝撃的でした。
自殺の理由は…
嘘を嘘で塗り固めて積み重ねてきた人生が破綻した。
…ということになります。
自分の経歴について、ご主人にも嘘をつき、実家の両親にも嘘をつき…
ご主人には、自分の親は亡くなったと告げて、お墓参りにも行ったのですが、実際には両親は健在で、お墓参りに行った墓はいったい誰の墓なんだ…
実家のご両親には、再婚したことや、ご主人の存在を知らせていないので、実家に連れてくる幼児を、ご両親は前のご主人との子供と思っていたこと…
結婚した回数も嘘、産んだ子供の数も嘘…
最初のご主人は堅気ではなかったようで、そのご主人と共に罪を犯して実刑を食らっていたこと…
嘘や隠しごとで固めてきた人生であったことは、死後に発覚したのですが…
他のキャストや私やマネージャーにも嘘をついていました。
ご主人はとんでもないDV夫という設定になっていましたが、実際はとても穏やかで、DVなどは到底しないような人であったこと。
なんと、自分の奥さんが風俗で働いていることを知っていて、お店にもお客として確認に来て、店長である私がどのような人かを確認して、この人なら自分の嫁を任せて大丈夫そうだ、ということで黙っていたそうですが、私もほんまかいなと思いましたが、私の外見上の特徴を詳しく述べたので私を直接見て知っていることは間違いないようでした。私と出勤に関する連絡のやり取りをしていることも知っていました。
自分が黙っていれば、ことが荒立たずに済む。
穏便にことを済ませようとしている方が、DVはしませんわな。
お宅を訪問したキャストも、ご主人から話を聞かされるまでは、お店で同僚が出勤してこなくなったことを心配し、亡くなったことを知らされて悲しんでいましたが、お店ですべてをぶちまけてからは、一切、彼女についての話はしなくなりました。
品の良い、大人しい、若妻さんという印象の方でしたが…
人には裏があるものだ。
…いや、ここまで見かけによらない方も、私の人生で出会ったことがないので、衝撃でした。
嘘を嘘で塗り固めて積み重ねてきた人生が破綻した。
…何がきっかけで破綻したのかについて述べていませんでしたが、表の携帯の他に、ご主人の知らない裏の携帯の存在が発覚したのが引き金になりました。
裏の携帯には隠してきた秘密の部分があったようですが、何も死ぬまでもないとは思いましたが…
長年にわたって積み重ねてきた嘘の量が膨大だったのでしょうね、その一端が発覚しそうになって、積み重ねたものががらがらがらがらと崩れたのかもしれません。
ご主人の問いかけには一切答えず、ならば、ご主人のお母さんになら話せるかとご主人が提案して、ご主人のお母さんが住むマンションに行ったのですが、部屋のある9階にエレベータが着いて扉が開いた途端に駆け出していって、通路からそのままジャンプしてしまったそうです。あっという間のことだったそうです。
う~ん。
ご主人にはご両親は亡くなったと嘘をついて、誰のか分からないお墓にお墓参りをする…
なぜそのような嘘をつく必要があったのか?
理由はわかりませんが、つかなくてもよい嘘だと私は思っています。
つかなくてもよい嘘までついて、積み上げた嘘の重さで最後は自分が押しつぶされてしまう。
実は、この話を店長ブログでするのは初めてではありません。
自殺の理由は、お店や私とは無関係ですが…
私が店舗管理者を務めているお店・事業所において、管理している現役のキャストが自殺するというのは、衝撃的であって、いまだに私のこころの中で、いろいろとしこりになって残っています。
彼女の三十数年の人生において、家族以外の人間と連絡のやり取りをしたのは、おそらく私が最後ではないかと思っています。
その時点では、本人は自殺するつもりがないので、気配もなにもないわけですから、私が何かアクションを起こすこともないのですが…
明日出勤してこないだろう。
…と感じてはいたので、何かの予感が全くなかったわけではないのでしょう。
私に何かできることはあったのか?
考えたりします。
11年か。
色々と思いがありすぎて、眠れぬ夜を過ごしました。
では☆