言論の自由。表現の自由。

言論の自由。表現の自由。

2020年9月2日

以前、或る風俗グループにおいて、在籍嬢がTwitterアカウントを有することを禁ず、というルールを定めたことがあります。

その後、そのルールは有名無実化してしまったのかもしれませんが…

在籍嬢が店の看板を背負ったアカウントを有することを禁ず。

…というルールは間違ってはいなかったと思います。

 

当時、Twitterへの書き込み内容が原因で警察に摘発されたお店がいくつかありました。

書き込み内容のどこがいけなかったのかについては、ここでは言及しませんが、ソープランドに関すること、で、お察しください。

 

在籍嬢が店の看板を背負ったアカウントを有することを禁ず。

嬢さんたちは、日本国憲法第二十一条で認められている言論の自由・表現の自由を盾に反論していました。

確かに、言論の自由・表現の自由は日本国憲法で保証されている権利ですが、保証されているからといって…

何を書いても良いわけではない。

…ということは理解していただかなくてはなりません。

自分の在籍店に迷惑が及ぶような内容は書くべきではありません。

実際に、逸脱、つまり書いてはいけないことをTwitterに書いてしまって、FF外ではあっても指摘して、問題の箇所を削除していただいたことが相当あります。

 

また、スタッフにおいては、在籍のアカウントをチェックして何かまずいことを書いていないか確認する、という業務が増加します。

スタッフなんだからやって当たり前だ!

…という嬢もいましたが、それは言い過ぎです。

嬢にしても、店側から、バックは変わらないが、イベントだからオプション無料とか、バックはそのままで10分延長サービスなんて一方的に言われたら嫌でしょ?

もちろん、風俗業の場合、女の子がいなければ商売にならず、スタッフの給料も捻出されないのですから、究極においては嬢のほうが立場が上なのかもしれませんが…

スタッフなんだからやって当たり前だ!

…という発想はなしにしていただきたい、或いは思っても口には出さないのが知恵なのかなと思います。

 

在籍嬢が店の看板を背負ったアカウントを有することを禁ず。

というルールは、当店において実行されることはないでしょうが、ルールとして理不尽ではないと思います。

 

現に、日本社会において、社員・従業員がTwitterのアカウントを有することを禁じている企業・事業体はたくさんあります。

社員のTwitterでの発信が原因で謝罪するはめになった企業は少なからずありますし、社が禁じているアカウントを裏で作って、誹謗中傷を繰り返していたら、身元が特定されて、社が謝罪に追い込まれた事例もあります。

だから、企業に不利益が発生するのを未然に防ぐために、言論の自由・表現の自由が憲法で認められていようとも、社命において社員がTwitterだけでなく、SNSのアカウントを有することを禁じるということになるのです。

また、社の内部事情やビジネスに関する機密が漏洩するのを防ぐという目的もあります。

 

表現の自由、言論の自由…

いちばんうるさく言及しているのはマスメディアだと思いますが、実はマスメディアこそが、社員の表現の自由・言論の自由に対して警戒心をあらわにしている業界です。

例えば朝日新聞の場合、原則として記者は自分のアカウントを持てません。朝日新聞社からアカウントを有すること公認された記者だけが、「公認」記者アカウントを持つことができます。そして「公認」記者アカウントも永続的なものではなく、SNSにおいて発信した情報が不適切だった場合、謝罪の上、公認を取り消されてアカウントが削除されることもあります。

ものを書く、発信することが商売であるマスメディアにおいても、表現の自由・言論の自由が憲法で認められていても一社員が社の許可を得ず、個人の資格においてSNSで情報を発信することを、認めていない、

さらに社員もアカウントが持てないことに対して、言論の自由・表現の自由の侵害だ、憲法違反だと騒ぐこともありません。

 

SNSは…

社の信用を損なう、社の利益を損なうリスクを伴いますし、現実に、社の信用を失墜させ、社に不利益を生じさせた事例はたくさんあるのです。

 

風俗店も営利を追求する事業体ですから、店の信用や利益を損なう恐れがあることは未然に回避する、それは判断としては妥当だと思います。

 

ルールやマナーをわきまえてSNSを管理している嬢にとっては迷惑至極なことですが、逸脱している人が少なからず存在している以上、ご理解いただかなければならないことになります。

 

当店では、みるきぃらんどの屋号を背負ったSNSアカウントの開設については、事前に申し出があれば却下はしませんが…

在籍嬢が店の看板を背負ったアカウントを有することを禁ず。

…というルールを定めているお店について、理にかなっていないとは、私は考えていません。

 

では☆